日本における歯科医師の平均年齢は、近年50歳前後で推移しています。厚生労働省が公表した最新統計では、歯科診療所で勤務する歯科医師の平均年齢は約52歳、病院勤務では約40歳台に留まる結果が出ています。これは開業医として長年の経験を積んだシニア層が多くを占める一方、公的病院や大学附属病院には比較的若手が多いことを反映しています。
年代別に見ると、男性歯科医師では60歳以上の割合が大きく、開業医院を支えてきた世代が引退期を迎えつつあります。一方、女性歯科医師は30代~40代前半の比率が最も高く、社会進出や子育て支援制度の整備が進んだ結果、若年層の参入が増加し、平均年齢をやや下支えする要因となっています。
地域や勤務形態による差も顕著です。都市部の大型クリニックや大学病院では研修生や新卒者の受け入れが活発なため平均年齢が低めに推移。一方、地方の個人診療所では後継者不足からシニア層の在籍期間が長く、50代以上の歯科医師が大半を占め、全国平均を押し上げています。
業界全体では少子高齢化や新規開業数の減少が続き、シニア層の引退と若手不足のギャップが拡大中です。このため、多職種連携型の研修強化、女性や外国人歯科医師の受け入れ促進、勤務環境の改革など、多様な人材が活躍できる制度設計が急務。歯科医療提供体制の維持・発展には、平均年齢の是正だけでなく、世代間の知見継承と新陳代謝を同時に進める取り組みが求められています。